【ご紹介】シンポジウム「これからの科学の支え方 -クラウドファンディングが変える科学の未来-」開催の裏側をのぞく ご紹介 2018年02月14日 0 こんにちは!科博SCA広報委員の林です。 いつも「サイエンスコミュニケータだより」をご覧いただきありがとうございます。 2018年2月18日(日)に、国立科学博物館にて科博SCAクラウドファンディング・ワーキンググループが、シンポジウム「これからの科学の支え方 -クラウドファンディングが変える科学の未来-」を開催します。 このシンポジウムの主催者にインタビューを行ったので、その様子をレポートします! 誰もが科学に参加する時代! シンポジウム「これからの科学の支え方 -クラウドファンディングが変える科学の未来-」開催の裏側をのぞく 林:今日は、2月18日(日)に国立科学博物館の講堂にて開催されるシンポジウム、 「これからの科学の支え方 -クラウドファンディングが変える科学の未来-」 の主催者である、水川(みずかわ)さんにお話を伺います。 どうぞよろしくお願いします! 水川:よろしくお願いします。 林:水川さんは、普段どのようなことをされているのでしょうか? 水川:私は普段、大学で環境汚染の研究をしています。テーマ的に、社会と科学が密接に関係している分野なので、サイエンスコミュニケーションにも関心を持っています。 林:今回、水川さんはなぜこのシンポジウムを企画されたのでしょうか? 水川:実は、2015年ごろから企画の構想はありました。きっかけは、2015年夏ごろに学術系クラウドファンディングサイトであるacademist (研究費獲得に特化したクラウドファンディング・プラットフォーム) の社員の方と、研究会でお会いしたことです。それまでは、クラウドファンディングは単に研究資金を集める方法の一つとしか考えていませんでしたが、実際に社員の方とお話をしてみると、資金調達だけでなく研究の情報発信についても強く意識されていると感じました。また、その後、だんだんとクラウドファンディングを使った研究をちらほら見かけるようになったので、クラウドファンディングの可能性を紹介するイベントを何かできないかと考えました。 林:数年前から温めていた企画だったんですね。確かに、最近クラウドファンディングを使った研究を私もよく見ます。 イベント主催者の水川さん 林:シンポジウムという形で実施することには何か意味があるのでしょうか? 水川:クラウドファンディングと言っても実施者によって研究している内容は異なります。クラウドファンディングの目標金額やリターンも様々です。いろいろな人の経験談を同時に聞きたいと思い、事例紹介・パネルディスカッションができるシンポジウムの形式が良いと考えました。 また、大規模なクラウドファンディングを成功させた、国立科学博物館 人類研究部 海部陽介先生のお話を伺いたいと考えたのも理由の一つです。海部先生にはご自身の実施したクラウドファンディングについて基調講演をお願いしています。 林:海部先生はとても高額かつメディアなどを巻き込んだクラウドファンディングを成功されているので、貴重なお話がお伺いできそうですね。 林:海部先生の他にはどのような方が登壇されるのでしょうか? 水川:academistを立ち上げた柴藤さんに登壇していただきます。academist立ち上げのきっかけも含め、プラットフォームの運営者の視点から、学術系クラウドファンディングの動向や、研究・研究者の世界に起きている変化などについてお話していただくためにお呼びしました。 他のお二人は、実際にクラウドファンディングを実施された方々です。一人は若手の研究者の山下さんで、博士課程在学中にクラウドファンディングを実施されました。もう一人の戸坂さんは、自分の専門テーマ (復顔) を用いた展示イベントをするためにクラウドファンディングを実施された方です。お二人には、クラウドファンディングだからこそできたこと、普通の研究費ではできなかったわけ、クラウドファンディングを実施したことによって生じた変化、などのお話を期待しています。 林:とても豪華なメンバーですね。登壇者の方々それぞれで、考え方もクラウドファンディングで苦労されたことなどいろいろなお話が聞けそうです。私もとても気になります。 林:シンポジウムにはどんな人に参加をしてもらいたいのでしょうか? 水川:クラウドファンディングのことをあまり知らない人に来てほしいですね。今、科学の世界では研究費の不足が取り沙汰されていますが、一方で、クラウドファンディングのような新しい動きがあるという現状、それが科学研究自体の性質も変えつつあるかもしれないという可能性を知ってもらいたいです。 林: クラウドファンディングへの出資者を増やしたい、という思いもありますか? 水川:出資もそうですが、それ以上に、「誰でも研究に出資できる状況になってきた」ということを多くの人に知ってほしいですね。もしかしたら、クラウドファンディングによって、大学に所属していなくても研究ができたり、研究者と一般の方との距離がぐっと近くなる世の中になるかもしれない。今が、そのような変化の時かもしれない、という事をお伝えしたいです。その結果、支援者となる方が増えることはあるかもしれません。 林: 誰もが科学に参加できる、研究者が身近な存在になりそうですね。 クラウドファンディングには科学を変える多くの可能性がありそうです。 林:最後に今回のシンポジウムの見どころをお願いします。 水川:実際に研究に携わっている人が、自分の研究のことだけでなく、その研究の行く末をどう考えているのか、を生で知れるのは見どころです。 パネルディスカッションのテーマである、「クラウドファンディングが、どう研究の世界をかえるのか?」という点も面白いと思います。誰もが当事者になれる時代が来ていること、今まさに、クラウドファンディングによって科学の世界が変わりつつある過渡期のはじまりかもしれない、ということを想像してもらいたいです。 林:科学のパラダイムシフトが今まさにそこで起ころうとしているかもしれないんですね。当日は、どのようなお話が聞けるのか楽しみです。 林:本日はお話いただき、ありがとうございました。 水川:ありがとうございました。 <<今回インタビューさせていただいた方について>> 水川薫子 さん 東京農工大学農学研究院 助教 国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ 科博SCAクラウドファンディングWG 代表 <シンポジウムご案内> 「これからの科学の支え方 -クラウドファンディングが変える科学の未来-」 基調講演「3万年前の航海 徹底再現プロジェクト」 海部 陽介 氏 (国立科学博物館 人類史研究グループ長) パネルディスカッション 「お金の出どころが変わるとなにが起こるか」 パネリスト(敬称略・50音順) 海部 陽介 (国立科学博物館 人類史研究グループ長) 柴藤 亮介 (アカデミスト株式会社 代表取締役) 戸坂 明日香 (国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ) 山下 桃 (東京大学大学院 理学系研究科 大学院生) 【開催概要】 開催日:2018年2月18日(日) 14:30~16:30 (開場14:00) 会 場:国立科学博物館(東京・上野公園)日本館2F講堂 対 象:大学生以上 定 員:100名(先着順) 定員に達し次第受付を終了いたしますが、お席に余裕のある場合は当日参加も受け付けいたします。 申し込み方法:こちらの申し込みフォームより必要事項を明記の上お申込みください。 参加費:無料 (別途国立科学博物館の入館料が必要となります) 主 催:科博SCAクラウドファンディングWG 共 催:国立科学博物館 お問合せ:sca_cf@kahaku.sc (科博SCAクラウドファンディングWG代表メールアドレス) PR